最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)914 判決
主 文
原判決を破毀する。
本件を名古屋高等裁判所に差戻す。
理 由
弁護人豊島武夫の上告趣意第一点について。
原審の公判調書を調べてみると、第一回公判において豊島弁護人から鑑定を申請
したのに対して、裁判長はこれを留保する旨の決定を言渡したが、その後第二回第
三回の公判においてもこれが採否の決定を為さず、遂に留保した儘結審し判決を言
渡したこと、所論の通りである。かような違法が上告の理由となることは、当裁判
所の判例(昭和二四年(れ)第二六三五号同二五年三月七日第三小法廷判決等参照)
に照らしてみても明かである。論旨は理由があり、原判決はこの点において破棄を
免れない。
よつて、その余の論旨に対する判断を省略し、旧刑訴四四七条、四四八条ノ二第
一項に従い主文の通り判決する。
この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。
検察官 堀忠嗣関与
昭和二五年一〇月三一日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎
裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
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